あちこ猫がいる家の防災は、人間だけの防災とは中身が変わります。
きっかけは、防災準備のために役所への電話でした。「ペットも避難所に来られますよ」と言われたあとに、こう続いたのです。



「ただし、人とペットは別の場所になります」
え、離ればなれになる。
それも、家が壊れて、まわりが騒がしくて、愛猫がいちばん不安な日に。
その日から、わが家の備えは方向が変わりました。この記事は、2人と猫1匹のわが家が用意している物のリストです。地震なら家にとどまる。水害なら早めに出る。災害の種類で答えが逆になると気づいたところから始まります。
- 「同行避難できます」は、猫と一緒に過ごせるという意味ではないこと
- 地震と水害で、備え方を逆にした理由(ハザードマップの見方)
- 水の量・停電対策・療法食・猫砂、わが家に実際に置いている物
- 迷子チラシの作り方(記入例つき。お金をかけずに今日できます)
- 逃げ先の決め方と、まだできていないこと



この記事は、ウタマロと暮らすわが家が実際にやっている防災です。役所に電話して分かったことも、まだ手をつけられていないことも、そのまま書いてくよ。
結論。地震なら家にとどまり、水害なら状況次第で一時避難と決めました


※これはわが家の判断の流れです。避難指示や避難勧告が出たときは、この図より自治体の指示を優先してください。
うちは自宅にとどまる、いわゆる在宅避難が基本という考えです。ただし、どんな災害でもそうするわけではありません。地震のときは、家にとどまります。理由は2つあります。
1つめは、さきほどの「人とペットは別の場所」問題。ウタマロは短足マンチカンで、性格はかなりの怖がりです。知らない所で犬の声もする場所に1匹で置かれたら、水も飲まなくなると思います。
2つめは、建物です。木造ではなく鉄筋コンクリート造りのため、倒壊の心配が小さい造りだと判断しました。
水害のときは、洪水の度合いによりますが、一時避難を検討します。ハザードマップを見たら、わが家は浸水の想定区域に入っていました。いま暮らしている階では足りません。
「同行避難できます」は、一緒に過ごせるという意味ではなかった
電話を切ったあとに調べて、自分が言葉を取り違えていたと気づきました。



災害とペットの話には、似ているのに中身が違う2つの言葉があります。
| 言葉 | 意味 |
|---|---|
| 同行避難 | ペットと一緒に、避難場所まで安全に移動すること(行動) |
| 同伴避難 | 避難所で、ペットと一緒に生活すること(状態) |
環境省がすすめているのは同行避難のほうです。ペットがいるせいで避難が遅れて、飼い主まで危険になることを防ぐためだといわれています。
つまり、役所から「同行避難できます」と言われても、避難所に着いたあとは愛猫と別の場所になることがあります。わが家が言われたのも、まさにこれでした。
「連れて行ける」と「一緒にいられる」は違う。ここを勘違いしたまま当日を迎えたら、いちばん動揺していたと思います。
備え方を決める前に、確認してほしい2つのこと
グッズを買うより先に、これを済ませてください。無料で、今日できます。


① ハザードマップで、自分の家を見る
「ハザードマップポータルサイト」で住所を入れると、洪水・土砂災害・高潮の想定が地図で出ます。ここが赤かったら、在宅避難という選択肢はありません。愛猫を連れてどこへ、どう逃げるかを先に考える話になります。



正直に書くと、わが家はここが赤でした。
洪水で最悪の場合、2階まで水が来ると想定されている地域でした。建物の1階分がおよそ3メートル。わが家が暮らしている階は、その想定より下になります。
もうひとつ、調べていて知ったことがあります。この地域は、いったん水に浸かると引くまでに時間がかかると想定されていました。数日ではなく、もっと長く。つまり、上の階に上がってやり過ごすという選択肢がありません。
自治体の案内にも、こう書かれていました。水害のおそれがあるときは、浸水しない場所へ早めに立退き避難すること。屋内で安全を確保できるのは、想定される浸水の深さより高い場所に住んでいる場合だけだと。



つまり、わが家は水害では家にいられないにゃん。
これを知って、備えの考え方を分けることにしました。地震のときは家にとどまる。水害のときは、洪水の状態によりますが、ウタマロを連れて早めに出る。
同じ「災害への備え」でも、地震と水害では答えが逆でした。ハザードマップを見るまで、私はそこを分けて考えていませんでした。
ただ、ここで止まりました。逃げると決めても、どこへ逃げるかが決まっていなかったのです。
避難所は、人と猫が別々になります。車で出て渋滞にはまるのも怖い。かといって、猫を連れて歩ける距離でもない。考えれば考えるほど、行き先が決まりませんでした。
結局たどり着いたのは、車で行ける親族の家でした。水に浸からない場所にあって、猫を連れて行っても気を遣わずに済みます。避難所より、こちらのほうがずっと現実的でした。
ただし、正直に書いておきます。台風のたびに親族の家へ行くつもりはありません。それは現実的ではないし、たぶん続きません。
調べてみると、大きな台風が近づいたときに早めに地域の外へ離れるよう呼びかける仕組みを持つ地域があると知りました。避難指示が出てからではなく、その何日も前の話です。
だから、わが家の基準はこうしました。普段の台風では動かない。自治体が早めの避難を呼びかけたら、そのとき動く。
自分の勘で決めようとすると、毎回迷って、結局動けない気がします。だから判断そのものを自治体に預けることにしました。私が決めておくのは「どこへ行くか」だけです。
備蓄はお金を出せばそろいます。でも行き先は買えません。そしてわが家の場合、かかったのは電話1本でした。
それと、猫がいる家はもうひとつ不利があります。動き出すのが遅れると、間に合いません。ウタマロは怖がりなので、避難の空気を察したら間違いなく隠れます。ベッドの下から出して、キャリーに入れて、荷物を持つ。そこまでで30分は見ておく必要があります。
避難指示が出てから動いたのでは遅い。その前の段階で準備を始めないと、猫を連れては出られません。
② 自治体に、ペットの避難ルールを聞く
これがいちばん大事です。そして自治体によって答えがまったく違います。
同じ建物の別室に入れるところ、屋外のテントになるところ、そもそも受け入れ枠に限りがあるところ。ネットの情報ではなく、お住まいの役所に直接聞いてください。電話1本です。
ちなみに、ペットの防災については環境省が人とペットの災害対策ガイドラインを公開しています。飼い主向けの考え方がまとまっているので、一度目を通しておくと判断の軸ができます。



買い物より先に、電話と地図にゃん
防災準備は2つ。家に置くものと、持って出るもの
わが家の備蓄は、暮らしている階に置いてあります。地震で家にとどまるなら、それで足ります。でも水害で家を出るなら、置いていくことになります。水が引いたあと、使える状態で残っている保証はありません。
持って出られるのは、愛猫とキャリー、リュック1つ分くらいです。水の箱は1つで12キロ。何往復もしている時間はありません。だから、置いておく物と持って出る物は、分けて用意する必要がありました。


そのために用意しているのが、一次避難用の非常持ち出し袋です。これは家が壊れたときや、浸水しそうなときに、とにかくすぐ家を出るための袋です。3日ほどをしのぐ想定で、身を守るための最低限だけを入れています。あれこれ詰めると重くなって、持って出られなくなるからです。
家に置いてある備蓄とは、目的がまるで違います。備蓄は「動かないため」の物、持ち出し袋は「動くため」の物です。だから、中身が同じである必要はありませんでした。
日数も違います。持ち出し袋は3日、家の備蓄は1週間。大きな災害では、支援が行き渡るまでに1週間ほどかかるといわれています。水を7日分そろえているのは、そのためです。
中身については、別の記事でまとめようと思っています。



ぼくとキャリーが最優先にゃん。それだけは忘れないでにゃ
水は「1人1日3リットル」から逆算する
ここからは、地震で家にとどまるときの備えです。
先に言っておくと、猫がいても用意する水の量はほとんど変わりません。猫が1日に飲むのは200ミリリットル前後。人間1人分にも届かないからです。
問題は量ではありません。ストレスがかかると、猫は水を飲まなくなります。せっかく用意した水が、飲まれないまま残る。それが猫のいる家の、水の悩みです。
その前提で、人間の分を計算します。備蓄の目安は、1人あたり1日3リットルといわれています。飲み水だけでなく、調理や歯みがきに使う分も含めた量です。
わが家の必要量を計算してみた
大人2人。2リットル×6本入りの箱で数えると、こうなりました。
| 期間 | 必要な量 | 箱の数(2L×6本) |
|---|---|---|
| 3日分 | 18L | 2箱(24L) |
| 7日分 | 42L | 4箱(48L) |
猫の分も、この中から回します。飲む量そのものは小さいので、箱を増やす必要はありませんでした。
長期保存水をやめて、普通のペットボトルにした
以前は5年保存の長期保存水を買っていました。今は、スーパーで売っている普通の水です。
理由は、飲んで減らせるから。長期保存水は「いつか使う特別な水」になってしまい、押し入れの奥で忘れます。普通の水なら、飲んだら買い足すだけ。この回しかたをローリングストックと呼びます。
備蓄が続かない人ほど、普通の水のほうが向いていると思います。
水の賞味期限が切れたら、飲めないの?
調べていて驚いた話です。ペットボトルの水に書いてある期限は、品質が悪くなる日ではなく、表示どおりの内容量を保てる日だといわれています。
ペットボトルは、ごくわずかに水を通します。時間が経つと中身が蒸発して「2リットル」と書いてあるのに2リットルより減ってしまう。それを表示できないので、期限が設定されているという説明です。
ただし、においの強い場所に置くとにおいが移ることがあります。開けていない状態で、涼しく暗い場所に置いてあることが前提です。最終的にはご自身の判断になりますし、心配なら携帯浄水器を用意しておくと安心です。
断水すると、トイレが流せない



見落としていたのが、トイレでした。
断水すると、水が出ないだけではありません。トイレが流せなくなります。飲み水のことばかり考えていて、出すほうを忘れていました。
わが家は、BOSの非常用トイレを100回分そろえています。便座に袋をかぶせて、凝固剤で固めるタイプです。水はいりません。
目安は1人1日5回といわれています。7日分なら70回なので、100回分あれば足ります。
保存期間は15年です。水や食べ物のように入れ替えを気にしなくていいので、そこが気に入っています。
それから、地震のあとは水が出ても流さないほうがいい場合があります。排水管が壊れていると、汚水が逆流することがあるからです。



猫のトイレは猫砂のストックでなんとかなるにゃ。でも人間のほうは、代わりがきかないにゃん。
停電が、いちばんこわい



ここが、人間だけの防災といちばん違うところです。
停電すると、エアコンが止まります。人はうちわであおいで、水をかぶって、なんとかしのげます。猫はできません。
猫は、汗をかいて体温を下げるしくみをほとんど持っていません。真夏に部屋の温度が上がりきったら、逃げ場がないのです。夏の停電は、猫にとって命に関わります。
だから、わが家の防災はここにいちばんお金をかけました。
ポータブル電源とソーラーパネル
SmartTapの「PowerArQ」を使っています。買ったときで5万円ほどでした。あわせてソーラーパネルも用意しています。容量は626.4Wh。AC出力の上限は300Wです。この数字から計算すると、目安はこうなります。
| 動かすもの | どれくらいもつか |
|---|---|
| LEDライト(5Wくらい) | 100時間以上 |
| スマホの充電 | 30回以上 |
| 扇風機・サーキュレーター(30Wくらい) | 15〜17時間 |
| エアコン | 動きません |
これはカタログの数字から計算した目安です。わが家の初代の数字なので、いま売られている機種とは容量も出力も違います。
この機種でエアコンは動きません。出力の上限が300Wなので、動き始めに1000Wを超えるエアコンは、はじめから対象外です。
猫に扇風機はあまり効きません。人は汗が乾くときに体温が下がりますが、猫は汗をかかないので、風が当たっても体は冷えないからです。保冷剤やアルミプレートなど、体に直接触れて熱を逃がすもののほうが役に立ちます。電気がいらないので、停電中はむしろこちらが主役です。



暑いときは、ひんやりした床にべたっとするにゃん
ポータブル電源は、スマホを充電して情報を取ること、明かりを確保すること、そして部屋の温度が上がりきるのを少しでも遅らせるため使用予定です。ただ、停電中に猫をどう冷やすかは、正直まだ答えが出ていません。
いま考えているのは、保冷剤に扇風機の風を当てて、冷たい空気をつくる方法です。風を猫に直接当てても効きませんが、保冷剤で冷やした空気なら、猫が自分で涼しい場所を選べます。
まだ試していないので、どこまで効くかは分かりません。ただ、真夏にエアコンが止まったまま何時間も過ごすのは、猫にとって命に関わります。電源で粘るのか、涼しい場所へ移動するのか。そこは今も迷っているところです。
ソーラーパネルを一緒に用意したのは、停電が長引いたときの繋ぎです。



ポータブル電源だけだと、使い切ったら終わりだからね。
これから買うなら、エアコンが動く大きさを選びます
わが家のPowerArQは初代で、いまは中古でしか手に入りません。もし今から買い直すなら、私はもっと大きいものを選びます。
理由は、さっき書いたエアコンです。
うちの300Wでは、エアコンははじめから動きません。でも出力1500Wクラスなら動きます。ただ、出力があっても容量には限りがあります。1000Whほどの機種で6畳用のエアコンを動かすと、2時間くらいが目安です。一晩つけっぱなしにはできません。
それでも、いちばん暑い時間に2時間動かせるかどうかは、猫にとって大きいと思っています。
もうひとつ気にしているのが、電池の種類です。リン酸鉄リチウム(LFP)というタイプは、くり返し充電に強く、4,000回使っても容量の7割が残るといわれています。
防災用の電源は、何年も使わずにしまっておくものです。いざというときに空だった、では意味がありません。長く置いておくつもりなら、ここは見ておいたほうがいいと思います。
ソーラーパネルがセットになっているものを選べば、停電が長引いたときの繋ぎもまとめて用意できます。
モバイルバッテリーは「普段使っているもの」を
これは、防災用に買ったのではなく、普段から持ち歩いているものです。毎日使って、毎日充電しているものが、いちばん頼りになります。



防災用にしまい込んだバッテリーは、いざというときにたいてい空だからね。
カセットコンロとガス缶
今家には、カセットコンロが1台と、ガス缶が3本あります。ただ、3本では足りません。ガス缶1本で使えるのは1時間ほどといわれています。1日3回お湯をわかすだけでも、数日で底をつきます。



ここは増やす予定です。
温かい物が食べられるかどうかは、味の問題ではなく気持ちの問題だと思っています。被災の時は、心も体も疲れ切っているから、食事だけでもホッとできるものを。
失敗した備蓄食の話
防災にはまっていた時期に、非常食をひととおり買いました。1食400〜600円ほどのパスタ、ご飯、混ぜご飯。おかず系はハンバーグ、肉じゃが、鯖の煮込み。パンやもちも試しました。
結果を正直に書くと、おかず系はもう買っていません。
味が自分の好みではなかったこと。そして原材料を見て、あまり取りたくない物が入っていると感じたこと。この2つが理由です。
非常食である以上、そこは目をつぶる部分もあると思っています。ただ、選べるなら納得できる物を選びたい。
今買っているのは、こういう物です。
- レトルトのカレー
- ビスケットなどのお菓子
- フルーツの缶詰
- 野菜ジュース
備蓄として点数が高くても、おいしくないと続きません。それに、避難している最中は心細いはずです。ふだんからストレスが振り切れているときに、食べる物までがっかりだったら、気持ちはもっと落ちます。
少しでもほっとできる時間をつくるために、おいしい物を置いておきたい。今はそう考えています。
★ここにpochipp:レトルトカレー/フルーツ缶/野菜ジュースなど(実際に買っている物)★
家にとどまるなら、家の中を安全にしておく


地震で家にとどまると決めたなら、その家が安全であることが大前提です。備蓄より先に、家具を倒さないことのほうが大事です。



まずは”その時を生き抜くこと”にゃ
- 冷蔵庫を固定する(倒れると避難経路をふさぐ)
- テレビの下に地震マットを敷く(落下・転倒を防ぐ)
- 食器棚の扉が勝手に開かない工夫(割れた食器は猫の足を切る)
倒れた家具は、猫にとって二重に危ない



下敷きになる危険と、逃げ道をふさがれる危険だよ!
猫は人が思わないような場所を通って移動します。家具のすき間、椅子の下、棚の裏。そこに物が散らばるだけで、猫は動けなくなります。人の背丈では通れる部屋でも、猫の目線では通れなくなっていることがあります。
割れた食器も同じです。人は靴を履けますが、猫は裸足で歩きます。食器棚の扉を止めておくのは、愛猫のためでもあります。
揺れたら猫は必ず隠れる。どこに隠れるか知っていますか
これは実際に避難を考えたときに、いちばん困る部分でした。
猫は驚くと隠れます。呼んでも出てきません。どこに隠れるか知らないと、避難がまず「探すこと」から始まります。その時間が、そのまま逃げ遅れになります。
ウタマロの定位置は、クローゼットの中と、寝室の置物の下です。日によって変わるので、ときどき確認するようにしています。



こわいときは、せまいところがいちばん安心にゃん
隠れ場所は「探す」より「用意しておく」ほうが早い
そこでわが家がやっているのが、非常用の折りたたみケージを、普段から部屋に置いておくことです。
災害のときだけ出しても、猫は知らない箱に入りません。だから最初から出しっぱなしにして、慣れさせています。今では自然にそこで寝ていることも増えました。
「隠れ場所を把握しておく」より一歩進んで、安心して隠れられる場所を、こちらが用意しておく。そのほうが確実だと思っています。
猫が自分からそこに入ってくれるなら、避難のときに探さずに済みます。そのままケージごと運べる日が来るかもしれません。準備というより、普段の暮らしの中に避難先を置いておく感覚に近いです。
猫の備えで、特に気をつけていること
療法食は、近所のスーパーに売っていない



ウタマロは療法食を食べています。これがいちばん心配な点です。
普通のキャットフードなら、コンビニでもドラッグストアでも手に入ります。療法食は違います。近所のスーパーには置いていないので、災害のあとに買い足す手段がありません。
なので、常に予備を1袋。切らしそうになったら買う、ではなく、開けたら買う、の順番にしています。
持病がある子は、フードそのものが薬のようなものです。ウタマロは膀胱炎と尿管結石を経験しているので、ここだけは切らせません。
防災用の猫トイレは、猫砂のストックで足りる



おいもの猫砂を、いつも4袋ストックしてるにゃん。2ヶ月分にゃ。
防災用に別の猫砂を買い足してはいません。ふだん使っている物を多めに持つやり方にしています。専用の物を用意すると、期限を忘れて押し入れの奥に眠るからです。水と同じ考え方です。
問題は、猫砂そのものより「そのあと」でした。
固まった猫砂は水に流せません。ゴミの回収が止まっているあいだ、家の中に置いておくことになります。夏だったらと思うと、においがいちばんつらい気がします。
そこで頼りにしているのが、BOSの防臭袋です。うちではふだんから、ウタマロのうんちの始末にBOSを使っています。人間用の非常用トイレも同じメーカーで揃えたのは、その効果を先に知っていたからです。
ちなみに、固まるタイプの猫砂は人間用の簡易トイレの代わりにもなります。排せつ物にかけて固め、袋にまとめて捨てる。考え方は同じです。非常用トイレを使い切ったときの、最後の手段として頭に入れています。
ここは正直、まだ想像しきれていない部分です。数日分ならベランダの隅で足りると思います。でも1週間、ゴミの回収が止まったら。どれくらいの量になるのか、試したことがありません。


猫の避難用ケージとキャリーは何を選ぶ?わが家はキャンプ用を再利用
キャリーは普段から用意があります。どこへ避難するにせよ、布製よりハードタイプのほうが向いているようです。積み重ねられて、外から守れて、中の子が落ち着けるからだと聞きました。
ケージは家に常設しているものがそのまま使えます。それとは別に、キャンプで使っていた組み立て式のペットケージも残してあります。キャリーより広いので、長い時間を過ごすならこちらのほうが猫は楽なはずです。
防災用に新しく買わなくても、家にある物が使えることは多いと思います。
猫の避難リュックに入れているものと、まだ足りないもの
一時避難用のペットバッグには、いつも食べているおやつと、簡易的な猫砂を入れてあります。食べ慣れた物があると、少しは落ち着けるはずだと思って。
正直に書くと、中身はまだ完成していません。
気になっているのは、猫壱のポータブルケージとトイレのセットです。軽くて持ち運びやすそうなので、避難のときに現実的だなと。まだ買っていないので使用感は書けませんが、次に買うならこれだと思っています。
それから、一から揃えるのが大変なら、ペット用の防災グッズがひとまとめになったセットもあります。わが家は自分で少しずつ入れてきましたが、正直それだと何年もかかりますし、実際まだ完成していません。「何を入れればいいか分からない」で止まってしまうくらいなら、中身が決まっているものを買ってしまうほうが早いと思います。



おやつが入ってるなら、まあ許すにゃん
実はいちばん大事かもしれない「紙の準備」
グッズの話ばかりしてきましたが、わが家がいちばん時間をかけたのは紙です。お金はほとんどかかっていません。
診察券と証明書は、コピーをバッグへ
人間の分は、かかりつけの診察券と保険証(マイナンバーカード)のコピー。猫の分は、動物病院の診察券と予防接種の証明書のコピーです。
猫の予防接種証明は、避難所でペットを受け入れてもらうときに求められることがあります。原本は家に置いたまま、コピーを避難バッグのポケットに入れてあります。
「探しています」のチラシを、先に作っておく
わが家には、ウタマロと、夫と、私の「探しています」チラシが用意してあります。すぐ印刷して掲示板に貼れる状態です。
作ったきっかけは単純です。はぐれてから写真を探す時間は、たぶんないと思ったからでした。
チラシに入れているのは、この4つです。
- 顔がわかるバストアップの写真
- 体つきがわかる全身の写真
- その子だけの特徴がわかる写真
- 連絡先


ウタマロのチラシには、お腹の毛の色、全体の毛色、短足マンチカンであること、そして「怖がりです」と書いています。
マイクロチップの番号は、あえて書いていません。連絡先があれば飼い主にたどり着けるので、番号まで載せる必要はないと考えました。
そのかわり、「マイクロチップ装着済み」とだけ書き添えています。身元の分かる子だと伝わったほうが、そのまま連れて行かれにくいと思ったからです。
性格を書いているのには理由があります。見つけた人が追いかけたら、うちの子は逃げます。怖がりだと分かっていれば、そっとしておいて連絡してもらえるかもしれない。そう思って入れました。


人の分も、同じ形で作ってあります。ここでは中身を空にしたものを載せますが、実際には家族それぞれの写真と特徴が入っています。顔がわかる写真が3枚あるだけで、探してもらえる可能性はぐっと上がるはずです。
写真は、今日撮れます。データを1枚のチラシにしておくだけです。この記事でひとつだけ持ち帰ってもらうなら、これがいいと思っています。
留守のあいだに地震が来たら、という話



ここは、まだ答えが出ていません。今いちばん気になっている穴です。
水害は天気予報である程度わかりますが、地震は突然です。留守中にいちばん困るのは、たぶん地震のほうだと思っています。
平日はそれほど心配していません。私の職場は歩いて帰れる距離なので、電車が止まっても自分の足で戻れます。家族との集合場所も決めてあります。問題は、夫婦そろって出かけているときです。
近くに親族が住んでいるので、頼れる人はいます。ただ、合鍵を渡していません。つまり今この瞬間に何かあって私たちが帰れなかったら、家の中のウタマロには誰の手も届きません。
できているのは、見守りカメラを置いていることだけです。外から様子は見られます。でも、見えるだけです。
自動給水器があるので水はしばらくもちます。自動給餌器も入れようか考えているところです。ただ、ここで前半の話に戻ります。停電したら、どちらも止まります。猫まわりを自動化するほど、電源の重みが増していきます。
合鍵を預けること。フードとキャリーの置き場所を伝えておくこと。この2つは、たぶん今週末にでもできます。この記事を書きながら、やらなきゃと思いました。



カメラ越しに見られても、ぼくは出られないにゃん
正直に言うと、わが家もまだ完璧じゃない



ここまで書いておいて何ですが、今この瞬間の備蓄は理想どおりではありません。
防災の見直しをするたびに、いったん減らして「やばい、また買わなくちゃ」と焦る。この繰り返しです。理想は水4箱、でも今は足りていません。
それに、大きな地震を経験したことがありません。だから、足りない物はきっとまだたくさんあります。何が失敗なのかも、経験するまで分からない。それが正直なところです。
それでも、完璧じゃないまま置いておくよりはいいと思っています。水を1箱買う。写真を1枚チラシにする。ガス缶を2本足す。今日できることは、それくらいの大きさです。
ちなみに、わが家は必要な物を少しずつ買い足してきましたが、それだと何年もかかります。もし今から一気に揃えるなら、必要な物がまとまったセットを買ってしまうほうが早いと思います。私は使っていないので中身の使用感は書けませんが、少なくとも「何を買えばいいか分からない」で止まることはありません。
▶ 防災士監修の防災グッズ44点セット「あかまる防災」を見てみる![]()
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ぼくのごはんだけは切らさないでにゃん
よくある質問
- 猫と一緒に避難所へ行けますか?
-
自治体によって対応が違います。連れて行けても、人とペットが別の場所になることがあります。お住まいの役所に直接確認してください。
- 猫のフードは何日分あればいいですか?
-
まずは家族と同じ日数を目安にするといいと思います。療法食のように手に入りにくいフードなら、多めに持っておくと安心です。
- 停電したとき、猫のために何を優先すればいいですか?
-
夏なら室温です。猫は汗で体温を下げられないので、暑さが命に関わります。扇風機の風は猫にはあまり効きません。保冷剤やアルミプレートなど、体に直接触れて熱を逃がすものを用意しておくほうが役に立ちます。夏の暑さ対策については猫の熱中症対策の記事にまとめています。
- 猫が水を飲まなくなったら、どうすればいいですか?
-
環境が変わると飲まなくなる子がいます。ふだんの飲ませかたの工夫は猫が夏に水を飲まないときの工夫に書いています。ぐったりしている、おしっこが出ていないといった様子があれば、動物病院に相談してください。
- 水害のときも家にいていいですか?
-
ハザードマップ次第です。浸水の想定より低い階に住んでいるなら、早めに逃げてください。わが家は想定区域に入っているので、水害では家にいられません。
まとめ:全部そろえなくていい。今日は1つだけ
猫がいる家の防災は、人間だけの備えとは優先順位が変わります。停電が命に関わること。療法食は買い足せないこと。そして、はぐれたときに探す手段が必要なこと。



全部そろえるのは無理です。わが家もそろっていません。
だから今日は、1つだけ。
お金がかからないものから順に、3つ並べておきました。この中から1つ選んでください。
- ハザードマップを見る
- 役所に電話する
- 写真を1枚チラシにする



わが家も、この記事を書いている途中で宿題が増えました。
「人とペットは別の場所になります」
役所のあの一言がなければ、わが家の備えは今も方向が違ったままでした。

